用語集

あ行

内断熱工法

鉄筋コンクリート造等の構造体の室内側に断熱層を設ける工法。

内張断熱工法

木造または鉄骨造の構造体の室内側に断熱層を設ける工法。



か行

カーボンハーフ

気候危機が一層深刻化する中、世界は、2050年CO₂排出実質ゼロという共通のゴールに向けて、急速に歩みを進めています。
2050年ゼロエミッションの実現に向けては、2030年までの行動が極めて重要です。
東京都は、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減(2000年比)する、「カーボンハーフ」を表明するとともにこの実現に向けて、2019年に策定・公表した「ゼロエミッション東京戦略」をアップデートし、取組を加速させています。

気密材

空気移動を少なくする能力を持つ材料。

気密層

気密材で隙間なく連続的に構成された層。

気流止め

断熱効果を妨げる壁体内の空気の動きを止めるために、床と外壁・間仕切り壁の取り合い部分あるいは天井と外壁・間仕切り壁の取り合い部分に用いる部材。

建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)

建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(以下「建築物省エネ法」という。)は、社会経済情勢の変化に伴い建築物におけるエネルギーの消費量が著しく増加していることに鑑み、建築物の省エネ性能の向上を図るため、中大規模非住宅建築物の省エネ基準適合義務等の規制措置と、誘導基準に適合した建築物の容積率特例等の誘導措置を一体的に講じたものです。
2021年10月、「地球温暖化対策計画」と「エネルギー基本計画」が閣議決定され、2050年に住宅・建築物のストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能が確保されていることを目指すことが示されました。
このことを受けて建築物省エネ法が改正され、住宅及び小規模非住宅建築物の省エネルギー基準への適合を2025年度までに義務化することや、新築される住宅・建築物の省エネルギー基準をZEH・ZEB基準へ段階的に引き上げることについても遅くとも2030年度までに実施することとなりました。
【改正内容等については国土交通省HPをご覧ください。】

コールドドラフト

冬季に外気に接する外壁や窓ガラス面で冷却された室内空気が起こす下降気流。



さ行

再生可能エネルギー

エネルギー源として永続的に利用することができる再生可能エネルギー源を利用することにより生じるエネルギーの総称。 具体的には、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマスなどをエネルギー源として利用することを指します。

遮熱複層ガラス

熱線吸収ガラス又は熱線反射ガラス等を使用して日射侵入率を低減した複層ガラス。

充填断熱工法

木造または鉄骨造の構造体の内部に断熱層を設ける工法。天井の縁の上に断熱材を敷き込む天井断熱、柱間に断熱材をはめこむ壁充填断熱、根太や大引き間に断熱材を敷きこむ床断熱を指す。

省エネ・再エネ住宅

省エネ・再エネ住宅には、①光熱費が削減できる、②室内の快適性が向上する、③結露やヒートショックの防止により健康を守るメリットがあります。
住宅の省エネ性能を高めるためには、床や外壁、屋根、窓など、主に外気に面する部分の断熱・気密性能を高めることが効果的です。
また、高効率で省エネ性能の高い設備機器や家電製品を導入することで、エネルギー使用量を削減することができます。さらに、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用することで、省エネ性能をより高めることができます。

外断熱工法

鉄筋コンクリート造等の構造体の外気側に断熱層を設ける工法。屋根の合板の上に断熱材を敷設する屋根断熱、柱の外側に断熱材を張り付ける壁外張断熱、基礎に断熱材を打ち込んだり、張り付ける基礎断熱などを指す。

外張断熱工法

木造または鉄骨造の構造体の外気側に断熱層を設ける工法。



た行

断熱/気密

伝導、対流、放射による熱移動を防ぐこと。
高断熱・高気密な住宅は、冬の寒さや冷気、夏の暑さや熱気を入れず、家の温かさや涼しさを保ちます。特に、窓は室内外の熱の出入りの約6・7割を占めるため、まずは、窓の断熱性能を向上させることが最も効果的です。
また、熱は、屋根、壁、床などからも出入りしていますので、これらも改修することで、建物全体の断熱性能を高めることができます。建物全体を改修することで断熱性だけなく気密性も高まり、一層の省エネ性能の向上につながります。

断熱材

熱移動を少なくするための材料で、化学的性質と物理的構造で断熱性能を発揮する材料。

断熱層

断熱材で隙間なく連続的に構成された層。

通気層

内部結露防止のために、断熱層の外気側に設ける外気に開放された空気層。

低放射ガラス

板ガラスの表面に酸化スズや銀などの薄膜を施して遠赤外線の反射率を高めたガラス。Low-Eガラスともいう。

東京ゼロエミ住宅

都独自に定めた、高い断熱性能を持った断熱材や窓を用いたり、高い省エネ性能を有する家電製品などを取り入れた住宅。

東京都建築物環境計画書制度

一定規模の建築物の新築・増改築時に、建築主に省エネルギー対策等の環境配慮への取組と評価を記載した計画書の提出を義務付ける制度。提出された計画書の公表などにより、環境に配慮した質の高い建築物が評価される市場の形成を図ることなどを目的としています。

透湿抵抗

ある厚さの材料の水蒸気の透過のしにくさを表わす数値。



な行

内部結露

壁体などの構成材中の水蒸気が、温度低下に伴って凝結する現象。

日射遮蔽

庇や外付ブラインド、遮熱性能の高い窓ガラスなどによって直射日光による日射熱の侵入を遮蔽すること。



は行

ヒートショック

寒い時期に、暖房のきいた部屋から、廊下やトイレ、浴室などに行くと、急な寒さで身体がゾクゾクすることがあります。急激な温度変化がもたらす身体への影響を、ヒートショックといいます。
部屋の移動に伴い、室温などが急激に変化することで、血管が急激に収縮し、血圧が上昇することで、意識消失や、脳卒中、心筋梗塞への危険が高まります
住宅の断熱性能の向上により快適な温熱環境を維持することで、ヒートショックを防止し、健康への好影響も期待できます。

複層ガラス

複数枚の板ガラスの間に中空層を設けて、空気の熱抵抗を利用して断熱性能を高めたガラス。空気の代わりにアルゴン、クリプトンなどの熱伝導率の低い気体を封入したもの、中空層を真空にしたものがある。

防湿

建物の外壁などの躯体や土間下などに、透湿抵抗の高い材料を設けて水蒸気の透過を防ぐこと。

防湿材

水蒸気の透過を少なくする能力を持つ材料。

防湿層

防湿材で隙間なく連続的に構成された層。

防露

躯体の表面結露や内部結露を防止する対策。表面結露防止のために断熱材を施工して室内側表面温度を室温に近い温度に維持すること、透湿抵抗の低い断熱材を使用する際に、断熱材内部への水蒸気の侵入を防湿層で抑止して内部結露を防止することなどをいう。



ら行

λ値(熱伝導率 W/m・K)

材料の熱の伝わり易さを表す物性値で、この値が小さい値ほど熱が伝わりにくく「断熱性能」が高い。材料の厚さに関係なく材料固有の「断熱性能」を表す。



アルファベット

C

C値(相当隙間面積 c㎡/㎡)

住宅の気密性能(どの程度意図しない隙間があるか)をあらわす指標。
意図的に開閉できる換気装置などを閉の状態にした場合の住宅気密測定から得た住宅の総隙間面積を実質延べ床面積で割った値で、値が少ないほど気密性能が高くなります。気密性能は、送風機を使って住宅の内外に気圧差を発生させたときに流れる空気量から求めます。

H

HTT

東京都は、気候危機への対応だけでなく、中長期的にエネルギーの安定確保につなげる観点から取組を強化・加速してまいります。
ポイントは、電力を<Ⓗへらす・Ⓣつくる・Ⓣためる>キーワードはHTT。
この3つの観点から、都民・事業者の皆さまと共に、総力戦で取り組む必要があります。

L

LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅

建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO2に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2排出量も含めライフサイクルを通じてのCO2の収支をマイナスにする住宅です。

N

Nearly ZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

『ZEH』を見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅。

Q

Q値(熱損失係数 W/(㎡・K))

住宅の総合的な断熱性能を示す指標の一つで、室内外の温度差が1℃の時に建物外皮(建物の天井、外壁などの構造部分からの熱損失、及び窓などの開口部)および機械換気により室内から外気に移動する熱損失を合算した値を建の相当延べ床面積で割った値。
Ua値(外皮平均熱貫流率)が外表面積で割るのに対し、Q値では吹き抜け部などに仮想床を想定した場合の相当延べ床面積で割ります。

R

R値(熱抵抗値 ㎡・K/W)

部材の厚(m)を熱伝導率(W/mK)で除した値で、ある厚さの材料や断熱材の熱の「伝わりにくさ」を表す値。この値が大きいほど熱を通しにくいことを表す。

U

U値(熱貫流率 W/(㎡・K))

壁等の躯体を構成する断面各層の熱の「伝わり易さ」を表す数値で、外気側・室内側表面熱伝達抵抗および各層の熱抵抗の合計の値(熱貫流抵抗)の逆数。この値が小さいほど躯体の断熱性能が高いことを表す。

UA値(外皮平均熱貫流率 W/(㎡・K))

形状や構造が異なる建物の性能比較をするため使用する、建物の総合的な断熱性能を示す指標。
室内外の温度差が1℃の時に建物外皮(建物の天井、外壁などの構造部分からの熱損失、及び窓などの開口部および機械換気により室内から外気に移動する熱損失を合算した値を建物の外表面積で割った値で、値が小さいほど断熱性能が高くなります。
Q値(熱損失係数)が吹き抜け部などに仮想床を想定した場合の相当延べ床面積で割るのに対し、Ua値では外表面積で割ります。

V

V2H(Vehicle to Home)

蓄電機能とモビリティ機能を有する電気自動車から蓄電した電力を家庭に供給するシステム。

Z

ZEH(Net Zero Energy House)

外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムを導入し、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅。

ZEH-M(Net Zero Energy House Mansion)

集合住宅におけるZEHの定義(高層化に伴い、創エネで集合住宅全体のエネルギー消費量をまかなうことが難しくなっていくことを考慮した定義づけ)。住棟単位としては、全住戸で強化外皮基準(ZEH基準)の断熱性能を達成し、正味100%以上省エネ(再エネ含む場合)がなされていることが必要。このほか住戸単位での定義もある。ZEH-Mシリーズとして、省エネ率の高低に応じた複数の種別を設けてします。

ZEH Oriented (ゼロ・エネルギー・ハウス指向型住宅)

『ZEH』を指向した先進的な住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた住宅。

ZEV(Zero Emission Vehicle)

走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)。