健康に暮らせる住まい
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健康に暮らし続けられる住まいづくりは住まい手にとって
重要であり、住宅の断熱性能が高齢者等の
健康に影響を与えることが明らかになっており、
住宅の断熱性能の向上を図っていく必要があります。
ここでは、健康に暮らすための住まいづくりに
役立つ情報をご紹介します。
夏涼しく冬暖かい住まい
日本の住宅は省エネ適合基準の断熱等級１又は2に相当する低断熱住宅が65％を占めています。また、平成30年の「住宅・土地統計調査」において、東京都内における二重サッシ又は複層ガラス窓のある住宅普及率は、2008年の17％から2018年の22％へと、10年間で５％程度微増しているもものの、23区内においては、16％~30％までの大きな差があります。
住まいの断熱性能を高めることで、夏に涼しく、冬は暖かい暮らしはもとより、遮音性も高め、騒音ストレスの軽減や睡眠の質の向上といった健康メリットにつながります。
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
新しく住宅を建てるとき・購入するとき・部屋を借りるときは？
先端技術でもっと便利にするには？
- 戸建て
- マンション
スマートフォンやタブレットなどで室内の温度を管理
スマ―トフォンやタブレットのアプリに対応した設備機器等により、適切な室内温度や湿度を維持・管理することができます。
日ごろから取り組めること・お役立ち情報
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断熱改修で血圧が有意に低下
厚生労働省が進めている生活習慣病対策「健康日本21（第二次）」では、40～80歳代の国民の最高血圧を平均4mm低下させる数値目標を掲げています。この数値目標が達成できれば脳卒中死亡数が年間約１万人、冠動脈疾患死亡数が年間約５千人減少と推計されています。
また、断熱改修によって断熱等級３又は４にすることで、起床時の血圧の低下量が3.１mm低下すると試算されています。
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
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暖かく乾燥していない寝室は、睡眠の質が良い
厚生労働省「国民健康・栄養調査（2018）」によると、成人の4割が1日の睡眠時間が6時間未満であり、かつ年々短くなる傾向にあるとされます。
日本人成人における寝室の寒さ、乾燥の自覚と睡眠の質との関連を調べた結果、寝室が寒い、乾燥していると自覚する者ほど睡眠の質が低いことが明らかとなっています。
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
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過活動膀胱が少ない暖かい住まい
国内の40歳以上の男女の８人に１人が過活動膀胱の症状をもっており、患者数は約800万人以上とも推計されています。過活動膀胱によって、睡眠質の低下や、夜間に寒く、暗い中でトイレに行く途中に転倒、循環器系疾患の発生確率が高くなるとされています。
過活動膀胱は就寝前の居間の室温が高くなるほど発生確率が低くなるといわれています。
また、断熱改修後に就寝前居間室温が2.5℃以上上昇した家では、過活動膀胱症状が改善する確率が有意に1.4倍高かった、という研究結果があります。
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
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入浴事故を防ぐ脱衣所も暖かい住まい
冬季に多発する高齢者の入浴中の事故は、入浴前に脱衣所や浴室を温め、湯温を41度以下、湯につかる時間を10分までにすると防ぐことができるといわれています。
また、断熱改修後に居間と脱衣所の室温が上昇した住宅では、熱め・長めの危険入浴をする人は有意に減少しています。
消費者庁は、冬季に多発する高齢者の入浴中の事故について、入浴前に脱衣所や浴室を暖めることや湯温は４１℃以下、湯に浸かる時間は１０分までなどと注意喚起している。
消費者庁ホームページ
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_042/
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
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女性の健康を守る足元の暖かな住まい
20代~40代女性、3,119名を対象とした調査によると、床暖房ありと比べ床暖房なしの住まいでは、頭痛ありが1.4倍、腰痛ありが1.3倍、浅眠感ありが1.3倍に高まります。さらに、PMS※や月経痛も足元が寒い住まいの方が症状ありの確率が高まっており、足元を温かくすることが女性の健康増進に寄与することが分かっています。
※PMS（月経前症候群）とは、月経前、3～10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
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在宅ワークがはかどる断熱性の良い住まい
室内の上下温度差が少ない断熱性の良い住まいにおいて、計算作業成績に関する重回帰分析を行ってみると上下温度差が1℃小さいと正答数が9.4点、正答率が0.03%高いという結果が見られます。
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
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健康寿命を延ばす暖かな住まい
1℃暖かい住まいで脳神経は2歳若く、5℃暖かい住まいだと10歳若いという研究結果があり、暖かい住まいが健康寿命を延ばすことにつながることが期待できます。
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
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空調・換気にも気を付けよう
空調換気で全館空調した場合、冬季の期間平均家庭内血圧は起床時の最高血圧や入浴前血圧上昇量が低く抑えられます。また、睡眠にも有意な違いが生じることが分かっています。
詳しくは、
一般社団法人リビングアメニティ協会「アメニティcafé／換気ユニット」
https://www.alianet.org/amenitycafe/ventilator/
提供：伊香賀 俊治（慶応大学教授）
こんな補助制度があります（参考）
（※補助制度がすでに終了している場合があります）
- 中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業（東京都）
居住者の健康をチェックする住まい
家電製品、各種センサーやIoT機器などを使用して、家族の健康状態や運動状況等をチェックし、管理できる仕組みを活用した住宅です。
先端技術でもっと便利にするには？
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ヘルスケアデータの蓄積・通知
家族一人ひとりのヘルスケアデータ（体温、体重、血圧、睡眠状態）を日々蓄積し、そのデータに変化があった際に通知するシステムや、生活リズムを学習するAIを搭載したアプリ、健康管理や見守りの他、日常の活動記録と体力認知機能の測定により健康増進を図るとともにユーザーに合わせたトレーニングメニューをアドバイスするサービスなどがあります。
（賃貸でも可）
マルチセンサーにより、家族の帰宅や外出を感知した場合や、寝室やトイレのドアの開閉が一定時間行われない場合に通知されるような仕組みがあります。また、留守中の窓の開閉通知、室内の温熱環境をチェックし熱中症やヒートショックを防ぐようなものもあります。
さらに、センサーが心拍呼吸数などを検知・解析し、異常時に通報から救急隊の要請まで行うネットワークなども社会実装されています。
日ごろから取り組めること・お役立ち情報
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ウェアラブルデバイスによる健康管理・維持
市販のウェアラブルデバイスで心拍数などの計測ができるほか、日常的な運動状況の記録や睡眠の質の計測など、様々な健康管理を行うことができます。近年は、心電図の記録、血中有酸素濃度の計測や転倒の検出、緊急SOSの発信ができるデバイスもあります。（賃貸でも可）
感染症等の対策がなされた住まい
新型コロナウイルス感染症の拡大により東京都民の住宅に対する価値観も大きく変化しています。
感染症等の対策として、玄関の近くに手洗いや除菌設備、外套(がいとう)などの衣類を収納するクロークを設置するなど、ウイルスなどを持ち込まない工夫をした住宅や、タッチレス水栓や抗ウイルス加工の建材、オート洗浄機能付の便器など非接触で住宅設備を操作することで感染症などから家族を守る住宅もあります。
新しく住宅を建てるとき・購入するとき・部屋を借りるときは？
先端技術でもっと便利にするには？
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非接触型の水栓や扉を使用する
非接触型の水栓、タッチレスで解錠・施錠する玄関扉、オート洗浄機能付き便器、宅配BOXなど、様々な非接触型の住宅設備を使用することで感染症対策を行います。
- 戸建て
- マンション
宅配BOX
宅配BOXを設置することで、非接触で荷物を受取ることができるようになります。
また、宅配BOXがあると、受取時間を指定する必要がなくなり、時間を有効活用できるとともに、再配達削減によるCO2排出量削減にもつながります。
一方で、盗難のリスクもありますので、防犯カメラを設置するなど盗難防止対策も検討してく必要があります。
詳しくは、
一般社団法人リビングアメニティ協会「アメニティcafé／宅配ボックス」
https://www.alianet.org/amenitycafe/delivery_box/
リフォームやDIYでもできることは？
日ごろから取り組めること・お役立ち情報
こんな補助制度があります（参考）
（※補助制度がすでに終了している場合があります）
- 国土交通省における宅配ボックス設置に関する支援策等一覧
国土交通省ホームページ
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000050.html
介護が必要になっても住み続けられる住まい
令和２年から令和12年にかけて東京都内の高齢者数（65歳以上）、後期高齢者（75歳以上）数はそれぞれ増加が見込まれ、介護のニーズも高まることが想定されます。
住み慣れた地域や自宅で最期まで暮らし続けたいと考える方は少なくありません。今の住まいに住み続けるため、バリアフリーリフォームや先端技術の活用等により、在宅介護にも対応できる住まいづくりを検討しておくことも大切です。
先端技術でもっと便利にするには？
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自立した生活を支える介護ロボット（研究段階）
介護ロボットは、介護が必要な方の自立支援や、介護する側の負担軽減に役立てるものです。移乗支援や移動支援、排せつや入浴の支援のほか、高齢者等とのコミュニケーションを目的としたものなど生活や介護の様々な場面で活用するために介護ロボットの開発が重点的に進められています。
厚生労働省ホームページ「介護ロボットの開発・普及の促進」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000209634.html
経済産業省ホームページ「介護ロボットポータルサイト」
https://robotcare.jp/jp/home/index
リフォームやDIYでもできることは？
こんな補助制度があります（参考）
（※補助制度がすでに終了している場合があります）
- 東京都住宅改善事業（バリアフリー化）
- スマートウェルネス住宅等推進事業
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk7_000015.html - 高齢者、障害者、子育て世帯等の多様な世帯が安心して健康に暮らすことができる住環境（スマートウェルネス住宅）