TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト
事業概要
空き家の地域資源としてのポテンシャルを引き出すため、都内大学が持つ知見や都職員の技術力を活用して空き家のリノベーションのデザイン案を作成し、西多摩・島しょ地域の自治体と連携して移住・定住用住宅に改修するとともに、一連の過程(ビフォー・アフター)を動画で公開し、空き家活用の魅力を発信していく。
対象物件
奥多摩町及び新島村が所有する空き家(3物件)
参加者
都内4大学(国士舘大学、東京大学、東京都立大学、法政大学)及び若手・中堅の都技術職員
選定したデザイン案
【物件名:奥多摩町 木造2階建て住宅】
提案者:都職員Bチーム
提案の概要:奥多摩町の魅力である「豊かな自然」と「住民同士の支えあい」から着想を得た、アウトドアを満喫するファミリーに向けた「土間のある家」として、玄関を兼ねる広い土間はDIYやアウトドア用品のメンテナンスのほか、隣接するサブリビングと一体的に利用することで地域交流の場にもなるなど、多用途に活用できる空間をデザインした。
【物件名:奥多摩町 木造平屋建て住宅】
提案者:法政大学
提案の概要:暮らす人の生活を想定し「もの」と「にわ」に着目した設計として、日用品やアウトドア用品があふれることで暮らしの気配が立ち現れる空間の創出や、東西南北に既存の環境を活かした4つの庭を設けることで奥多摩の豊かな自然を家の内部へ引き込むなど、モノと庭が生活の一部となるような空間をデザインした。
【物件名:新島村式根島 木造平屋建て住宅】
提案者:東京大学、東京都立大学(共同提案)
提案の概要:島本位の暮らしをテーマに、東西を貫きつつ庭先までつながる土間を設け、旧玄関を活用したキッチンと一体的な土間や庭の整備によりBBQ等の食事を通して地域とつながりつつ、釣具や農機具等の土間収納、来客とプライベート空間を分節した居間や水回り、子供部屋や客間など状況に応じてフレキシブルに活用可能な居室など、移住者が式根島の自然とコミュニティに馴染んでいけるようなデザインとした。
その他の提案
【物件名:奥多摩町 木造2階建て住宅】
提案者:都職員Aチーム
提案の概要:今の子育て世代にとっての豊かな暮らしに必要な「つながり」を生み出す住宅要素として、「豊かな自然・家族との時間・地域との繋がり・生活のしやすさ・働きやすさ・ゆとり」の6つを抽出し、「家族とのつながり」としてリビング空間を住宅の中心に配置する、「自然とのつながり」として木材を住宅内外のアクセントとして使用するなど、それぞれの結びつきの関係を間取りに落とし込んだデザインとした。
【物件名:奥多摩町 木造平屋建て住宅】
提案者:国士舘大学
提案の概要:棲む人と家が響き合いともに育ちながら、新しい親自然的生活を織り広げていく家をコンセプトに、LDKを中心とした見通しの良い一室空間により子育ての安全性・回遊性を確保する、子ども部屋やリモートワークなど様々な用途に活用できるワークスペースや離れを設ける、隣家の眺望に配慮した高さに調整しつつ奥多摩を眺望できる屋根デッキを設けるなど、地域や自然と調和するフレキシブルなデザインとした。
【「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト」デザイン案の選定結果】(PDF)
取組の紹介(動画)
第1弾【デザイン検討篇】
今後の予定
・令和7年夏頃:選定したデザインを基に都が設計・施工を開始
・令和7年度末頃:物件を所有する町村に引き渡し
・令和8年度以降:町村の移住・定住用住宅として活用